成年後見業務の進め方2
<どういう場合に成年後見人を選任してもらう必要があるか> 高齢者や障がい者が財産管理を十分にできない場合に、必ず成年後見人を付けなければならないわけではありません。ご家族等が事実上通帳などを管理し、施設の契約も代わって行っているような場合があります。配偶者やお子さんが、家族として適切に管理されているケースは多くあると思われ、ほとんどの場合は成年後見人が選任されていないと思われます。 実際にどういう場合に成年後見人が選任されているか、塩地が経験した例をいくつかご紹介します(事案は簡略化しています)。 ①親族も高齢になり責任をもって財産管理ができなくなった場合 Aさんは70代で中度の知的障害がありました。Aさんは独り暮らしをしていましたが、Aさんの親は亡くなっており、兄弟姉妹もおらず、親戚のBさん夫妻がAさんの障害年金の管理も含めて生活面での面倒を見ていました。しかし、Bさん夫妻も80代になって、将来的に責任をもってAさんの財産管理を行っていくことに不安があったことから成年後見申立てを行い、以後の財産管理(年金受給、預貯金の管理)などは塩地が成年後見
成年後見業務の進め方1
当事務所の成年後見業務の進め方について、ご紹介します。なお、保佐業務・補助業務の進め方についても、基本的には同様です。 1回目は、成年後見業務の開始です。 <成年後見業務の開始(成年後見開始申立と家庭裁判所からの選任)> 成年後見業務は、家庭裁判所から選任されることによって開始します。 認知症や障害等により判断能力が乏しくなり、財産管理をすることができなくなった方については、ご家族等が成年後見の開始を家庭裁判所に申し立てて、成年後見開始の審判がされると、成年後見人が選任されます。 成年後見の申立てをする際は、後見人候補者を指定することができます。申立ての段階から塩地がご家族等の代理人として申立てを行い、塩地が後見人候補者となることで、そのまま成年後見人に選任してもらうこともできます。 この場合は、申立の段階から被後見人ご本人のことについて事情が分かったうえで成年後見業務を開始できるので、比較的スムーズに業務を開始することができます。 また、弁護士会からの推薦により塩地が成年後見人に選任されることもあります。この場合、選任されて初めて被後見人の方の